「江戸の大普請 徳川都市計画の詩学」、タイモン・スクリーチ、講談社

江戸の大普請 徳川都市計画の詩学
著者は外国の方。江戸時代のまちづくりに秘められた設計を詳らかにしていく。訳のせいか、やや日本語が平易でなく読みにくいが、内容はとても面白い。陰陽道によった、鬼門や裏鬼門とした寺のおはなし、京をまねようとしたところから、江戸独特の形を創り上げてきたと話をすすめる。そして、吉原など、江戸の鬼門の外に置かれた、いわば、江戸外のはなしまで。浮世絵や当時の川柳を引用しながらの内容は、幅広い情報を集められており読み応えがあった。最近は一つの物を詳しく読み解き、そのなかで適宜他の文献を引用するスタイルのもの(日記など)を読んでいたので、広い視点での読み解きは面白かった。