読書記録

「真夜中のパン屋さん」、大沼紀子、ポプラ社

王様のブランチでやっていたので、試しに買ってみた。面白かった。最近読んだ小説の中では一番だ。様々な人の心をパン、笑顔、励まし、暖かく見守ることですこしずつほぐし、そして次の一歩に進ませていく。そんな場を気持ちよく描かれている。

「子どもに好かれるせんせいの「ことばがけ」」、古郡宗正他、すばる舎

子どもとの付き合い方、ボーイスカウトのリーダをやる上で勉強になるかと思い読んだ。なかなか子どもと上手く関係を作っていくことは難しい。これは大人も子どもも関係ない。むしろ、子供のほうが感じたままに行動するから、難しい。しかし、本を読んで、子…

「「保険に入ろうかな」と思ったときにまず読む本」、竹下さくら、日本経済新聞出版社

生命保険、損害保険、年金保険など保険全般がよくわかる。最初、知らない言葉が出てきたこともあったが、読んでいくにつれてだいたいのことがわかった。長い人生出払っていくかもしれない保険、相当長くになるわけである。内容もよくわからぬ加入したくなか…

「伊予小松藩会所日記」、増川宏一、集英社

江戸時代当時の人々の息吹がとても身近に感じ、面白かった。一般的には、藩の記録に残らないような農民などの庶民の生活、駆け落ち、心中、酒での喧嘩の話から、今で言えば地方債のような藩札の発行、借金の返済に苦労している様子といった藩の内情まで書か…

「平安朝の母と子」、服藤早苗、中央公論社

平安時代の人々の結婚や子どもの考え方がよくわかる。一夫多妻制だと、夫権が強いように思うが、実は妻の家に入る婿入り婚が一般的であった。高校で和歌を習い、その和歌で恋を伝え、通うことは知っていたが、結婚後はどうなるのかを知らなかったので、面白…

「日本は世界5位の農業大国」、浅川芳裕、講談社

カロリーを基準とした食料自給率の無意味さ、国際的な合理性のなさ(EUやアメリカでは使っていないし、存在すら議論されていないらしい)、農水省の権益の守勢が分かる。読んで、なるほどと思った。確かにカロリーベースだと野菜や果物などをたくさん作って…

「日本列島飛び地の謎」、浅井建爾、廣済堂出版

昔からNHKの天気予報を見ると、和歌山県と奈良県、三重県の県境にぽっかりと線に囲まれたところがあり気になっていた。これが和歌山県の飛び地と知ったのはいつのことだろう。飛び地が全国にあることはこのころから知っていたと思うが、数多くあるとは知らな…

「明治日本見聞録」、エセル・ハワード、講談社

明治時代に女性一人で言葉もわからない日本へ来たとき、さぞかし不安であったろう。イギリス人としての視点から、日本の良いところ悪いところ(違和感を感じるところ)を率直に書かれていることが面白い。当時の日本と変わらない点、変わった点を日本人とし…

「現代政治学入門」、バーナード・クリック、講談社学術文庫

私にとってこの本はとてもわかりやすい。政治の基本がよくわかる。政治としての理論を押し付けることなく、色々な考えがあることを許容する流れに、あっという間に読み進めることができた。今の日本の政治状況を予言するような記載がある。たとえば、政党は…

「なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れるのか?」、勝見明、プレジデント社

タイトルと内容に少し食い違いがある。しかし、内容自体はなるほどそのとおりで、面白い。 ・顧客のニーズに応えることは、顧客が飽きる商品を提供していること。だから、日々供給し続ける不条理との戦いだ。 ・「顧客の為に」ではなく「顧客の立場で」考え…

「魏志倭人伝の考古学」、佐原真、歴史民俗博物館振興会

魏志倭人伝の注目される部分を出して、説明が加えられている。魏志倭人伝の実際の文章(一部)を見ながら読めて、臨場感というか本来の文章に触れられて面白い。当時の日本の風俗を、著者の想像や他の学者の意見を載せて想像をふくらませるための下地が作られ…

「図解ドラッカー入門」、森岡謙仁、中経出版

自分で想像できる具体的な事例でドラッカーの考えが書かれていて分かりやすい。「1時間で分かる」というタイトルのとおり、さらりとまずは読むには調度良い。 ぼくが個人的に覚えておきたいと思ったポイントを残しておく。 1.なぜ働くのか? 「何によって…

「コンサルティングとは何か」、堀紘一、PHP研究所

様々なコンサルティング経験が書かれていて面白い。BCGでホンダ、第一生命、JALなど多くの案件に関わってこられた話はとても面白い。戦略コンサルだけが真のコンサルだという強い自負と、真摯に取り組まれてきた姿が見えるようで面白かった。私も、戦略コン…

「明日この手を話しても」、桂望実、新潮社

もともと中の良くない兄妹。しかし妹の凛子が病気で目が見えなくなり、母が事故で死に、父が失踪して二人きりになったことから、少しずつ二人の関係が変わり始める。兄が少しずつ妹に気を使い、妹も兄を少し見直していく。二人の関係が変わっていくところが…

「星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則」、中沢康彦、日経BP社

星野さんが星野リゾートを成功させるために、多くの本を読まれ、それを実践されていることが分かりとても面白かった。まずはやってみる。そして自分たちに合うようにアレンジされている、あるいは社員と共に考える、その姿勢が素晴らしく思った。このような…

「「なんでだろう」から仕事は始まる! 」、小倉昌男、講談社

仕事に関する基本的な気持ちの持ち方を分かりやすい例で教えてくれる、そんな本だ。ヤマト運輸を様々な障害を乗り越えて大きくさせてきて、今なお良いサービスを提供しようと進化している会社の状態を作った方がまとめられた本だと思う。志を持って仕事をす…

「ドラッカーに先駆けた江戸商人の思想」、平田雅彦、日経BP社

ドラッカーやアダム・スミスがマネジメントやビジネスのあり方について論じる前にすでに江戸時代の日本では商家の家訓として多くの家で言われていた。洋の東西を問わず、むしろ西欧で言われる以前から言われ伝承されていたことがすごいと思った。1. お客様を…

「江戸っ子長さんの舶来屋一代記」、茂登山長市郎、集英社

二次大戦中は中国戦線へ行き戦後の混乱も乗り越え、日本にヨーロッパのブランドを紹介し多くの方々に広めてきた方。この本を読んで真面目にお客様に喜びを伝え、商品だけでなくその世界観を大切にしてその気持までもお客様へ伝えようとすることの大切さがわ…

「勘定奉行荻原重秀の生涯」、村井淳志、集英社

歴史ではとかく時代の変わり目に前時代の人を悪く描く。それは新しい人が自らを正当化するため。 たとえば、江戸幕府、松平定信、田沼意次、柳沢吉保、蘇我馬子など枚挙にいとまがない。最近では江戸時代が見直されてきているが、そのなかで綱吉の時代の荻原…

「ジャック・ウェルチの「私なら、こうする!」」、ジャック・ウェルチ スージー・ウェルチ、日本経済新聞社

働いていく中で感じる疑問や納得できないことのヒントになる。仕事をやっていくなかで時々だして読むのにちょうど良いと思った。決してとっぴょうしもないことをいっているわけではない、当然とも思えることだが、普段出来ていないことに気付かさせる、サラ…

「外交官が見た「中国人の対日観」」、道上尚史、文藝春秋

中国人の日本人に対する考え方がよくわかる。良い点の評価と、歴史に対する評価。メディアで報道される排日運動が必ずしも大勢ではなく、政治やビジネスの世界で成功している人々は、冷静に状況を見て振舞っていることがわかった。帯にも書いてあるが、中国…

「李巌と李自成」、小前亮、講談社

中国・明の末期、役人だった李巌は、時代の荒波に揉まれて、農民反乱軍の一員になる。科挙などで学んだ内容を使いながら反乱軍の戦略を考え、棟梁である李自成をサポートする。 そんな中、李自成に妻(この妻は、もともと反乱軍にごういんにひきこんだ)をと…

「江戸の大普請 徳川都市計画の詩学」、タイモン・スクリーチ、講談社

著者は外国の方。江戸時代のまちづくりに秘められた設計を詳らかにしていく。訳のせいか、やや日本語が平易でなく読みにくいが、内容はとても面白い。陰陽道によった、鬼門や裏鬼門とした寺のおはなし、京をまねようとしたところから、江戸独特の形を創り上…

「図解 日立製作所」、明豊、日刊工業新聞社

日立は扱う事業が多く、中では他の事業のことは全くといって良いほどわからない。会社が大きいせいか、いわゆる公務員的に事務的に進められたり、考えなくても物事が何となく回る嫌いもある。そんな中、様々な事業でより良い社会のためにと技術を磨いている…

「大名屋敷の謎」、安藤優一郎、集英社

江戸時代を士農工商という身分制度に縛られた封建社会と考えていると衝撃だ。決して厳しい身分制度でなかったとは知っていたが、この本には驚かされた。農民の中の豪農と言われる人々は、大名屋敷や将軍家との取引のために厳しい競争をしたたかに生き残り、…

「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」、ティナ・シーリグ、阪急コミュニケーションズ

この本には本当に気付かされた。起業家精神といえば簡単だが、起業しなくても日々の仕事の中で忘れてしまう「常に今を疑い改善する気持ち」や「今物語を紡いでいると、前向きに日々のことを捉える気持ち」を思い出した。早速、失敗のレジュメをつくるぞ。私…

「「貞観政要」のリーダー学 守成は創業より難し」、守屋洋、プレジデント社

この本は組織のリーダや政治を志す者にとって、とても参考になる。繰り返し同じ教えが出てくる。「民は水、君主は船」、民のことを考え決して民を欺くことや疲弊させることなく、民のおかげで君主は船を浮かべることができるのだと思うことである。それ以外…

「足し算と引き算だけでわかる会計入門」、山田咲道、日本経済新聞出版社

サラサラと数時間で読めた。一度簿記3級を取るときに財務諸表は勉強したが、仕組みを改めて理解できた。

「これからの「正義」の話をしよう」、マイケル・サンデル、早川書房

一気に読むには重いので、休憩を挟みながら読んだ。考えさせられるものばかり。何度か読む必要があるように思う。今回は、最初の方と最後の方はいろいろ考えることができたが、中程がいまいちピンと来ない内容もあった。

「夢をかなえるゾウ」、水野敬也、飛鳥新社

笑いながら読むことができた。自分の夢を再び考え、行動するためのよいきっかけを与えてくれる。今、自分で頑張ろうとしていることを後押ししてくれた気がする。この本で一番そのとおりだと思ったことは、「神様であるガネーシャが言った言葉「ワシが教えて…