「ブルーオーシャン戦略」,W・チャン・キム + レネ・モボルニュ,ランダムハウス講談社

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
【11/19掲載,12/17更新】
いまやどこの企業も生産の最適・効率化,省力化を進めている.これ以上,今の製品を作り続ける場合に,コストを下げる方法はないほどになっている.一方で,メジャーな商品は価格下落が進んでいる.携帯電話,薄型テレビ,パソコン,ハードディスク,メモリー,とくにこれらのデジタル機器の価格下落は激しい.このような状況で価格競争に巻き込まれれば,「利益上がらない,でも作らないともうからない」という状態になる.これを本書ではレッドオーシャンと呼ぶ.まさに血みどろの戦いである.筆者はそのような市場から一歩抜け出す方法を提案する.それがブルーオーシャンである.今までなかった市場を切り開く,あるいはある部分に特化した商品を作ることを進める.もちろん今までもそのような方法をとった企業は多い.本書では,そのブルーオーシャンの開拓方法に,ひらめきではなく,メソドロジーを提供しようとしている.読むと,そのメソドロジーはあまり特異なものではない.本当にこんなのでいけるのかと思うが,具体的な事例も載せられており,じっくりと使ってみたいと思った.これを使って,自分の中で将来使えるネタを仕込んでおくのも悪くない.