「僕らの夏 おいしいコーヒーのいれ方2」,村山由佳,集英社

おいしいコーヒーのいれ方 (2) 僕らの夏 (集英社文庫)
勝利とかれんの恋はなかなか進まない.今改めて読むと勝利の気持ちがよくわかる.彼らはキスをしたものの,その後2度目のキス,さらにその先の関係へとなかなか進まない.ここにおばさんがイギリスから1ヶ月帰ってくる.おかげで,かれんの世話をできることがうれしかった勝利だが,何も世話を焼くことができなくなった.世話を焼いたり,お願いことをされると聞いたりすることは,回りからみれば便利屋にされているように見えるが,実際やっている本人は「仕方ないなぁ」とため息をつきながらも,うれしいものなのです.実際に便利屋扱いされている場合もあるけれど,そうならないようになりたいものです.


大学では,勝利に思いを寄せる女性が現れる.勝利自身は気づいていないが,周りの意見で気づき始める.そして,なんとも微妙な気持ちをもつ.勝利は,かれんが好きだが,その大学の友人も大切にしたい.その優しさが仇となってくるのかもしれない.勝利は,もてますねぇ.