「仕事文の書き方」,高橋昭男,岩波書店

仕事文の書き方 (岩波新書)
仕事文を書く機会は,議事録・フラッシュレポート,マニュアルなどたくさんある.しかし,それらの中には意味のとり方が人により異なるような曖昧な書き方になったものや,主語と述部の対応がとれていないものがある.


掲載されていた例をあげる.

(1)A社は,B社のように一流企業でない.
(2)日曜日に父と庭石を動かした.
(3)これは,当社が開発したパソコン用CADシステムです.

一見,何の違和感もないかもしれないが,読み手の予備知識を無視しているというのである.
(1)なら,
・B社は一流企業だが,A社は一流でない.
・A社,B社ともに一流企業ではない.
・A社は一流企業だが,B社ほどではない.
という3つの選択ができる.
(2)なら,「と」をandと解釈すると,おかしなことになる.特に,機械翻訳システムでしょりするような場合は,とんでもない結果になる.
(3)なら,開発したのはパソコンか,CADシステムかわからない.


これから分かることは,仕事文を読み手のためにあるという認識を強く持って書く必要があるということである.そんなことを,よくありがちな例をだして述べている.