読書記録

「箱舟の航海日誌」、ウォーカー(安達まみ 訳)、光文社

聖書で有名なノアの箱舟をモディファイした小説。常に晴れて果物が満ち溢れた世界ですべての動物が仲良く生活していたが、ある日突然雨が降ってくる。この日を予感していたノアとその子供たちは箱船を作っていて、すべての動物を保護する。狭い箱船の中で繰…

「しゃばけ」、畠中恵、新潮社

歴史小説というより、妖怪が出てくるファンタジーと感じた。謎をずっとのこしながら、少しずつ明らかになっていく点は引きこまれていく感じがした。

「夜は短し歩けよ乙女」、森見登美彦、角川書店

京都を舞台にした小説。木屋町、先斗町、四条河原町、阪急百貨店、東一条通、百万遍、元田中、本部構内・・・懐かしい地名がたくさん出てくる。主人公である「先輩」、「黒髪の乙女」の恋のお話である。最初は、二人が所属するサークルの先輩の結婚式を舞台…

「金持ち父さん貧乏父さん」、ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター(白根美保子 訳)、筑摩書房

僕にとっては、真新しい内容はなかった。しかし、「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」ように考える基礎を変えるというのは、その通りだと、改めて思った。とはいえ、なかなかお金に働いてもらえるように出来ていないけれど。今は、「お金に…

「松平長七郎 江戸日記」、村上元三、学陽書房

江戸時代の武士の実際の日記と間違えて買った。しかし、小説ではあるが面白く読めた。久しぶりに読んだ時代小説。ときは、元禄の少し前。家光、家綱時代が舞台になっている。この時代を部隊にするのは珍しいのではないだろうか。主人公の長七郎は、家光の弟…

「渋沢家三代」、佐野真一、文藝春秋

第一国立銀行を創設した渋沢栄一。そのような印象しかなかったが、深く渋沢家の歴史、栄一の子や孫、篤二、敬三、そして義理の息子(穂積、阪谷)。渋沢栄一の、資本主義至上として実業家ではなく、資本の文明化を目指す姿を知り、とても感銘を受けた。本当の…

「現代経営・入門」、高橋宏幸、坂野友昭、丹沢安治、有斐閣

経営の教科書。有斐閣といえば、大学の講義の教科書として良く使われているか学際的な記述で取っ付きにくいのではと思ったが、そんなことはない。私にとっては、とても読みやすい。実際の企業の事例を示しながら、戦略の練り方、マーケティング、組織の組み…

「日本の医療崩壊を救う「地域医療経営」―ニュージーランドの医療革命に学ぶ」、永野和雄、家村均、税務経理協会

ニュージーランドを中心としながらも、アメリカやドイツなど医療の改革が進む事例を載せながら、日本の医療のあり方、特にゴーイングコンサーンを目指した医療経営について書かれていてとても興味深い。民主党の新成長戦略に、「医療分野におけるICT活用」も…

「阪急電車」、有川浩、幻冬舎

地元ではよく乗っていた、阪急電車。懐かしく思い読んだが、面白かった。章のタイトルは今津線の駅の名前。電車で出会う様々な人がそれぞれの駅や車内で紡ぎ出す物語が暖かい視線と共に描かれている。読んだあとに気持ち良い、さわやかな気持ちにさせてくれ…

「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」、佐藤義典、青春出版社

一気に読めました。「もしドラ」のような、小説仕立てのビジネス書が流行りである。これは、マーケティングをどのようにすればよいのかを、イタリアンレストランの再建を任されるOLという設定で話が進む。マーケティングの重要なポイントは5つと書かれている…

「おねぇすてぃ」、宇江佐真理、新潮社

明治時代を舞台とした恋愛。御家人だった主人公「雨竜千吉」が、明治維新で、叔父がてがける商社の仕事に入る。江戸の頃、よく致知が出入りしていた物産問屋で好きな女性「お順」がいた。外国人も出入りするため、お順は英語が話せた。あこがれとも、負けん…

「最後の恋」、阿川佐和子他、新潮社

多くの作者のものを一冊で読めるのが魅力である。気に入った作者がいたので、改めてその作者のものを買ってみようと思う。全体的には、すこし物足りなさを感じた。短編だからなのか、もっと感情の描写がほしかった。

「スウェーデン式アイデア・ブック」、フレドリック・ヘレーン(鍋野和美訳)、ダイヤモンド社

アイデアを考えるヒントがいっぱいである。最近、FRISKのCMで、アイデアを考えるときのパターンを見られて面白いが、同じような感覚を持った。今あるものが存在する条件を1つとってみると、新しいアイデアが出てくるという。ある程度、制約条件がないとアイ…

「ある明治人の記録」、石光真人、中央公論社

会津人の柴五郎、幼い頃に会津戦争で、祖母、母と妹が自刃するという声も涙も出ないような辛い目に会い、その後、官軍に負けた会津藩士として極貧の境遇で、青森・下北へ。凍死しそうな中なんとか生き延び、陸軍幼年学校へ入り、なんと大将まで務めた。文章…

「外事警察」、麻生幾、日本放送協会

小説はドラマとかなり違ったが、日本のテロの脅威が描かれていて、とても面白い。小説は後半になるにつれて、スピード感が増し、グイグイ読み進められた。

「名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方」、鈴木康之、日本経済新聞社

一行で商品の良さ、商品があるときのことをイメージさせること、そのようなキャッチコピーをどのように考えるのか、興味深かった。・メガネは、涙を流せません。 ・人は、書くことと、消すことで、書いている。 ・紙くずはもう一泊します。新しいことを思い…

「世界がキューバ医療を手本にするわけ」、吉田太郎、築地書館

医療に関する行政や経営のあり方に興味があり、「キューバ?」という点に興味を持ち、買った本。長らく積読の状態にあったけれど、読みました。面白いし、すらすら読めました。キューバといわれると南米で社会主義、経済封鎖で貧しい国、革命家ゲバラの母国…

「大西郷遺訓」、林房雄、新人物往来社

「敬天愛人」、西郷さんが座右の銘にしたことで有名である。「何物をも超えた天を敬い、仁愛をもって人と接し人の役に立とうとすること」という意味。西郷隆盛の生に近い声をまとめた庄内藩の人々。それを西郷隆盛を研究してわかりやすくまとめたこの本はと…

「王陵の考古学」、都出比呂志、岩波書店

都出氏の本は以前に何冊か読んだことがあるが、流れるように読める。今回も会社の行き帰りにあっという間に読めた。王陵を記念碑としての意味合いを見出し、洋の東西で比較している点がとても面白い。日本史だけでなく、世界史も理解しながら読めるので、楽…

「小さな実践の一歩から」、鍵山秀三郎、致知出版社

人が嫌がり、そんなことで何も変わらないと言われるトイレ掃除を数十年間続けてこられたそうだ。イエローハットの方にはセミナーでお会いしてお話したが、とても楽しく、そして社会に役立ちたいと仕事されている様子を感じた。僕自身も、仕事、スポーツとも…

「よくわかる医療業界」、川越満・布施泰男、日本実業出版社

会社で、医療に関する新しいビジネスを考えようとしている。医療業界に興味を持っていたものの、ほとんど知らなかった。まずはこの本で勉強してみた。病院だけでなく、それを取り巻く医薬品、医療機器、介護の業界も書かれており、幅広く勉強することができ…

「永遠の0」、百田尚樹、講談社

太平洋戦争で特攻で亡くなった祖父(宮部久蔵)を、孫の姉弟が元兵士達のもとを訪ねながら、聞いていく。祖父の周りの人々がどのようにつらい気持ちや決断をしながら戦時中や戦後を生きたか、息詰まるものがある。その中から、宮部少尉の話も出てくる。ほとん…

「ゴードン・スミスの見た明治の日本」、伊井春樹、角川学芸出版

明治時代、そして日露戦争(1904〜1905年)前後に日本にいたイギリス人、ゴードン・スミス氏が残した日記をもとに書かれている。当時の日本の新聞記事や親しい日本人からもらったものが大切に保管されていて、当時の様子を知るうえで非常に面白かった。スミス…

「県庁を変えた「新公共経営」」、静岡県・大坪 檀、時事通信出版局

新公共経営(New Public Management)に取り組む静岡県の事例を中心として、NPMの手法が紹介されている。本としては後半が数人のこの分野にかかわる方の論文があり、整理された内容が読みやすくてうれしい。自治体向けのコンサルティングのネタとして役立つ。 …

「ビジネス・コミュニケーション」、 ロッシェル・カップ、パニラ・ラドリン、ファーストプレス

ビジネスのコミュニケーションに関する本は、定期的に読んだほうが良いと思っている。そうしないと、ともすると忘れてしまったり、失礼なことをしてしまうから、常に自省するため。

「ザ・フォロワーシップ」、アイラ・チャレフ、ダイヤモンド社

フォロワーとしてリーダーとどのように信頼関係を築くのか、よく理解できた。分かりやすく書かれているし、ポイントは箇条書きされている。フォロワーは、リーダーと組織の共通の目的を共有して、それを達するために勇敢に行動するという点が記憶に残った。…

「13デイズ」、 ティム ロリンズ(富永和子 訳)、角川書店

1962年のキューバ危機を題材にした映画の文庫。「誤解が全世界を破滅させる」という言葉が印象的。この時はまさにひとつ間違えば、核戦争が始まる可能性があった。ケネディ大統領の会議で意見を広く求める姿勢がいいね。この姿勢は、若くて経験がほとんどな…

「勝利を求めず勝利する」、ラインハルト・スプレンガー(稲吉明子 訳)、英治出版

サッカーのクラブチームでの選手や監督の行動哲学が述べられている。ドイツのコンサルタントが書いている本なので、すこぶる面白いし、ビジネスや生き方にまで通じる話ばかり。帯に書かれている言葉が象徴的。【 勝たなければ「意味」がない。美しくなければ…

「プラネタリウムのふたご」、いしいしんじ、講談社

久しぶりに面白い小説に出会った。展開が読めないというか、不思議な感覚を持った。霞がよくかかる村のプラネタリウムに双子が捨てられた。その名は、捨てられたときに投影していた彗星の名から、ペンテル、タットルと名づけられた。タットルは郵便配達員に…

「ちょんまげぷりん」、荒木源、小学館

今年(2010年)、映画化されるようだ。 ストーリは次のような感じ。江戸時代からタイムスリップしてきた小普請組の旗本・木島安兵衛がシングルマザーのひろ子とその息子・友也の家に居候をはじめる。最初は家事は女の仕事と拒否した安兵衛であるが、居候の身と…